作成:2021・01・11


お断り:恐縮ですが、個人的な感想と独断です。


 

 1.SMCフィシュアイタクマー 17mmF4と SMCペンタックス FISH EYE 17mmF4


SMCフィシュアイタクマー 17mmF4 と SMCペンタックス FISH EYE 17mmF4
教典の研究本のプレミア価格は手持ちのタクマーレンズではかないません
「The Ultimate ASAHI PENTAX screw mount guide , 1952-1977」
 
 タクマーレンズが対角魚眼レンズの開祖だと信じていますが、すたれることなく根強い需要が続いてきました。ここでは、実質的な開祖であるフィシュアイタクマー 17mmF4のSMC版と後継のSMCペンタックス FISH EYE 17mmF4 を比較します。本科で書いたことと重複して恐縮ですが、どちらも7群11枚で、同じようなレンズ構成図なので、同一の光学系に見えますが、Kマウント化されたときの変更点のひとつに、周辺画質改善が挙げられていました。
 

SMCフィシュアイタクマー 17mmF4の試写



SMCフィシュアイタクマー 17mmF4 試写


ピクセル等倍画像 (部分)
 
 拡大してみるとやはり周辺の倍率色収差はSMCペンタックス FISH EYEに比べて顕著です。左の拡大画像はハイライトの輪郭が中心に向かって色ズレしている状況を示します。開放だと若干ですが軸上色収差も確認できます。

 中心部のシャープネスや諧調などは、SMCペンタックス FISH EYEとの差は識別できません。

 

SMCペンタックス FISH EYE 17mmF4の試写



SMCペンタックス FISH EYE 17mmF4 試写


ピクセル等倍画像 (部分)

 開放で撮影した写真です。ピントの合っているところの等倍画像では必要なシャープネスは確保されていると思います。素直な描写はSMCフィシュアイタクマー 17mmF4と同じです。

 拡大してみると、α7RII ではパープルフリンジの影響がほとんどないので、SMCフィシュアイタクマーに比べて倍率色収差や軸上色収差が改善されているのが判ります。倍率色収差は若干補正しきれていないようです。
 
 Kマウント化されたときに挙げられていた周辺画質の改善をまがりなりにも確認できました。軸上色収差は絞れば低減しますし画像ソフトでフリンジ補正もできます。倍率色収差は倍率色収差補正ができます。画像ソフトで一段としっかりした画像にできるとはいえ、どっちがと...SMCペンタックス FISH EYE 17mmF4は光学的に改善されていますので、こちらにします ...。

 SMCフィシュアイタクマー 17mmF4、SMCペンタックス FISH EYE 17mmF4 いずれも、屋内での半押しAFは、開放からF5.6までしか使えません。開放で親指AFでピントを合わせ、絞り込んでからシャッターを切りましょう。
 そもそもLM-EA7の繰り出し量が4.5mmもあるので、レンズのヘリコイドで加勢する必要はありません。いずれも絞り羽根は6枚ですので、ゴーストイメージは六角形になります。

 

このα7RII (FW Ver.4.00)とLM-EA7(FW Ver.6.0)での動作なので、記載内容が再現しない場合はご容赦ください。このレンズを取付ける中間アダプターは、Sマウントレンズでは YIYO M42-Mマウントアダプターを、Kマウントレンズでは YIYO K-Mマウントアダプターを使用しています。
 

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   更新日 : 2021・01・11.

 

 

    余 談

[ひとり言]
 本科の追加ページ「SMCフィシュアイタクマー 17mmF4 の色収差」で書いていますが、Kマウント化されたときの周辺画質改善に関して、今まで、なかなか確認できませんでした。EOS 5D MarkII と手持ちのKマウントアダプターでは、すこし傾くので、気持ちよくSMCペンタックス FISH EYE 17mmF4が使えません。K-1ではパープルフリンジがちょっと強くて、SMCフィシュアイタクマー 17mmF4と SMCペンタックス FISH EYE 17mmF4の違いがよくわかりませんでした。言うまでもありませんが、レンズの色収差(CA:chromatic aberration)と、センサーによるパープルフリンジ(Purple fringing)は別の話です。

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